どこへいった?

コンタクトレンズを装着するとき、わたしはいつも右目からはじめる。今朝もいつもの手順で右目の視界がクリアになって、さぁ左目だ、というところで違和感に気づいた。
レンズケースをかき回してもかき回しても、レンズが出てこない。
おや? と思い、のぞきこんでみても、影も形も見当たらない。最強度近視を誇る(誇るな)裸眼のときならいざ知らず、右目にはすでにレンズが入っているので、見えていないわけでも見落としているわけでもない。紛れもなくレンズケースの中にレンズが入ってない。
なんてことだ、装着1日目の2週間用レンズだったのに! 外したときにこれまたいつもの手順でレンズケースに入れた記憶はしっかりあるのだが、そもそもそれが記憶違いだったのだろうか。ミステリーだ。コンタクトレンズとの付き合いは10年以上になるけれど、こんな形での紛失は初めてだ。なくしたことにさえ気づかないなんて。
この春から使い捨てレンズに乗り換えたので、なくしても予備がないなんて事態にはならないけれど、片目13日分が消えてしまったと思うとやっぱり惜しい上に口惜しくてならない。この口惜しさはどこにぶつければいいのだろうか。空のケースか、うっかりな自分か。やっぱり自分か。ええぃ、さらに口惜しい。
なんだか消化不良気味の朝なのだった。