戦場のピアニスト

さんざん既出っぽい話題だけど、最初に音で「センジョウノピアニスト」と聞いたときは「船上のピアニスト」と聞こえて、「海の上のピアニスト」のリメイク版でもやるのかと思った(にしては、早いなぁと思ったけど)。テレビのCMで「戦場」だと知ったわけだけども、どうもおすぎが「いい!」と喚いているのを聞くと胡散臭く思えてしまうのだった。以上余談終わり。
大虐殺がもうなんともやりきれない。この映画で初めて見た知ったというわけではないけれど。描写がリアルだ、という意見も見かけるが、戦争を知らずに育ったわたしにはそんな表現はできない。実際はアレ以上にひどかった、のだろうし、そう思うということはそれはリアルではないのであって、けれどスクリーンで見せられる以上に惨いものは想像できないし、したくない…と思うほどに過酷な状況を一人のピアニストが生き抜いていく話だった。ピアニストはただ助けられ幸運に恵まれて生きているように見えながら、その助けや幸運は自分で引き寄せている。そのへんがカットされずにきちんと描かれていてよかった。
なにか胸が重くて涙も出てこない2時間超の映画の最後、オーケストラの演奏にのってエンドロールが流れるのだが、その最後で泣けた。…泣けた瞬間に会場が明るくなったので非常に慌てたのだった。
それにしても、ヤニナとドロタの区別が全然つかなかったのですが。途中まですっかり混同していたよ。